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メタボに効果!磁性鍋で分子ガストロノミー調理の実践

磁性鍋の科学

マイクロ波を遠赤外線に転換する方法

磁性素材にマイクロ波を照射し、熱エネルギーを利用する方法は既に多くの研究がある。磁性素材にマイクロ波を照射し加熱する原理は、誘導加熱、渦電流損による加熱、磁性素材のスピンの共鳴による強磁性共鳴による加熱の3種類である。

磁性素材の特性を活かした調理器具の開発
熱エネルギーを効果的に利用するためには、加熱する対象物に必要な温度と熱吸収波長に合わせて、放射する最適温度、最適波長の領域を吸収させると、熱効率は高くなる。

磁性素材には飽和磁束密度、保磁力、キュリー温度があり、利用する素材の元素のスピンには違いがある。磁性素材の選択と構造によって、磁性素材の持つ特性を生かし、磁性素材を粉体粒子にして、陶磁器の内面に燒結すると、温度、波長の領域が制御できる。

食品に必要な最適温度と波長領域が放射されていることを確認し、省エネルギー効果が確認出来た。この陶磁器を磁性鍋と名付けた。

【効果】
食品を加熱するのに最適な温度と、その波長の領域は、タンパク質が変成しない、温度、80℃以下で、波長の領域は、2.5μm~20μmである。遠赤外線学会の報告ではこの波長の領域で食品を加熱すると、アミノ酸類の増加、サツマイモでは、うま味成分のマルトース増加、殺菌効果、ニトロ化の生成制御、亜硝酸塩の分解などが報告されている。電子レンジのマイクロ波による加熱と、電熱ヒーターによる加熱との違いはマイクロ波が早く、遠赤外線の加熱は時間が掛かる欠点がある。電子レンジによるマイクロ波の波長から、磁性材料にマイクロ波を吸収させ、磁性材料の共鳴によって増幅させ、赤外線、遠赤外線の波長を輻射すると、加熱時間の短縮が可能かを検討した。

磁性材料にマイクロ波を照射すると誘導加熱、渦電流損失から生じる加熱、及び、マイクロ波を熱エネルギーに転換するとき、磁性材料のスピンによる共鳴現象(強磁性共鳴)による加熱がある。マイクロ波が磁性材料に照射されると磁性材料のスピンによる磁気モーメントとマイクロ波による磁化の増幅によって遠赤外線が輻射する。磁性材料によって高密度の遠赤外線を輻射する素材は高磁束密度であり、また保磁力、磁性材料を構成する原子のスピンの数から選定した。

食品を80℃に早く到達させるためには、食品の赤外線、遠赤外線の最適吸収波長は2.5μm~20μmである。この時の波長領域が最適な黒体輻射の温度は200℃である。200℃は食品加熱における最適加熱温度である。200℃の温度から黒体輻射の波長の領域で増幅することを目的とし、キュリー温度200℃の素材から選択した。最適素材はMn-Znフェライトであり、平均粒子10μmの粉体に加工し、陶磁器の蓋、容器の内面に、平均厚さ20μmの層を燒結し、熱効率を測定した。

陶磁器の内部の波長の密度は測定する方法がなく、実測値がえられないが、食品加熱によるアミノ酸の量の変化によって、赤外線、遠赤外線の波長輻射の熱効果が読みとることが出来る。タマネギとアスパラガスの電子レンジを利用し磁性鍋によって加熱したときと普通セラミックによって加熱したときのアミノ酸組成のデータを以下に示す。加熱時間は2分間、サンプルは北海道産のタマネギ、アスパラガスである。 

  タマネギ アスパラガス
アミノ酸組成 磁性鍋
(単位 mg/dl)
普通の皿
(単位 mg/dl)
磁性鍋
(単位 mg/dl)
普通の皿
(単位 mg/dl)
タウリン 16.7 12.7 0.7 0.5
アスパラギン酸 15.1 12.9 49.5 45.6
スレオニン 40.2 34.7 81.0 92.7
セリン 9.6 7.7 180.9 55.0
グルタミン酸 23.3 21.7 68.8 64.1
プロリン 4.7 3.2 7.3 6.7
グリシン 1.8 1.5 10.9 12.1
アラニン 5.1 3.8 19.4 20.2
シスチン 12.3 9.3 6.9 5.3
バリン 5.2 4.4 26.2 22.8
メチオニン 0.3 0.3 1.1 0.8
イソロイシン 3.0 2.6 10.6 8.9
ロイシン 9.7 8.7 12.8 10.7
チロシン 13.1 11.9 4.7 3.6
フェルアラニン 6.2 5.5 10.9 8.5
リジン 27.6 25.6 18.6 16.8
ヒスチジン 10.9 9.6 8.7 7.4
アルギニン 184.6 147.8 18.1 15.8
合計 402.3 311.2 536.0 397.6


磁性鍋による電子レンジ加熱の方が、普通の皿による電子レンジ加熱より食品のアミノ酸含有量が約30%以上増加し、うま味がますことが解った。食品のアミノ酸の赤外線の最適吸収波長は2.5μm~20μmであり、この波長の赤外線、遠赤外線が増幅されて、輻射されていることによって熱効率が改善されたことが解る。参照 本発表の内容は発表者による特許出願、特願2005-185673による。


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