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「自然耕房あおき」の4年間を振り返って

青木慎一氏が亡くなられて11月20日で丸4年を迎える。
4年前、圃場は17年間の汗と涙の結晶であり、まだ完成には至っていない圃場をそのままにして、旅だった無念さが冬を迎える畝畝に枯れ草となって覆われていた。
初年度は何とか継続する方法を模索し、2年目に入り、賛同者とともに農事法人を設立し「自然耕房あおき」としてスタートした。この11月20日で法人化から3年が終了する。
何よりも4年間農場が継続できたことに感謝する。
中でもオルター及びオルターの会員の方々を始め、消費者との間で介在していただいた企業の方々、地域でのサポートしてくださった方々、圃場に直接労力として携わった方々に改めて感謝します。
 4年間で延べ日数850日を完全なボランティアとして実働した経験は、これまでのように間接的に農場を見ているのではなく、日の出前に圃場に立ち、清純の中での野鳥の囀る声を聞き、朝日と共にコウノトリのカタカタカタカタ、カタカタカタとクラッタリングのリズムを聞き、あるときはイノシシの親子が横を走抜ける姿を追いながら。
鍬や鎌を持つ手は、たびたび血豆で覆われたが無事に終えられたことに改めて感謝する。
従来の栽培は、365日安定した出荷に基づく栽培形態ではなく、山あり谷ありの収穫スタイルであった。この4年間は365日安定した出荷形態を追求した栽培に切り替えてきた。
山陰地方は、冬季には休む農業が一般的である。
雪が降り、雨が多いなかで、夏場に集中した栽培が普通の計画である。しかし、安定した人員の確保や、消費者の方々にとっても不安定な出荷は、継続した消費意識へのつながりを欠き、ベストではない。
オーガニック農産物を求められる方々は安定した商品の供給を常に求められる。
そこで、消費者の方々と一定のサイクルで連携して行くには、日々農産物を出荷できる生産システムを構築していった。
単一品目大量生産システムは、オーガニック農業では水稲の単作栽培以外は、大変採算性において難しい。
京丹後市は、年間200日前後の雨日であり、年間を通して野菜を栽培し出荷するには一定の面積の雨よけと雪よけの施設が欠かせない。当初は4棟のハウスから、現在では8棟のハウスになり、4年間に4棟のハウスを増設した。その結果、ほぼ年間を通して安定した野菜の供給が可能になった。


温暖化と農場の課題
最近の天候は急激に変動することが多い、6月から9月に掛けて35℃を超える日が継続することが多く、年によっては、10月でも30℃を超える日が続くこともある。
昭和39年の東京オリンピックの頃は、10月10日の開催日を秋の一番好天気が続く過去の事例から選定されていた。晴天が続く日としてオリンピックの開催日として計画されたが、最近ではこの時期に雨天が多い。この30年で夏日の日が極端に多く、春日、秋日が年間20日前後減少している。反対に冬季は豪雪が続くことが多く見られる。
外気温度が高くなる傾向と共に、集中豪雨、1時間50mmの雨が6月の梅雨前線に刺激されたり、台風の影響による豪雨が日本中、場所選ばず集中的に降る傾向があり、最近では過去の台風銀座の通り道から外れ、地域を選ばなくなっている。雨の少ない地方とされていた、広島や山口、千葉、北関東等にも大きな水害が生じている。
温暖化は、水稲の栽培においては、冷夏による被害は少なくなっているが、収穫時の高温で品質の低下、味覚の低下が生じており、新たな品種の選択が求められている。同時に温暖化による新たな虫の被害が増加している。
野菜や果実は従来適地とされていた作物が高温による影響を受けている。

栽培面積が減少する中で農薬の使用量が何故2倍になるのか!!
「農薬」既存の農業システムに依存すると農薬は欠かせない。
温暖化の影響は、害虫と称する虫の突然的な発生が多く見られ農薬に依存する比率が増加している。
農薬の代表的な例として、グリホサート(除草剤)は、この20年間で約2、4倍に、年間では、570トン、ネコニコチノイド系農薬(殺虫剤)は2.35倍で、410トンにもなっている。では農業の栽培面積はどうか、20年間に栽培面積は約17%減少し農薬の使用量は2倍以上になることは、それだけ害虫の発生が多いことをしめしている。殺虫剤は害虫だけを選別し殺虫されていない。過去には田舎に行けばハエや蚊が多く、多いのが当たり前であった。最近は、蚊やハエは極端に少なくなっている。蚊は都市近郊の方が遙かに多く見られる。農業栽培において昆虫は、大切な役割を担っている。
蜜蜂や蝶の受粉作業は、果菜類や果実の栽培では欠かせない。
人工的な受粉には限界がある。野菜などの種子の採取には受粉ができなければ採取にはならない。
オーガニック農業はできるだけ自家採種し、品質を安定させたい。
山蜜蜂はこの4年間で、半減を通り越して1/10以下になっている。
菜花やプラムの花頃には蜂の羽音が風のリズムに乗って聞こえてきたが、最近では、探さなければ見られない、数える程度の蜂の姿で、季節によっては全く見られないことすらある。
農薬は果たして昆虫だけの問題なのか、農村地域の河川、小川に魚類の姿が極端に減少している、魚類だけではなく、蛙もトカゲもザリガニも見られない。
田舎の小川が死の川に近い。
過去に鉱毒による死の川を見たことがある。透明で、一見するとキレイ見えるがアメンボも小魚の泳ぐ姿に何もなく、石と砂だけの間を流れる小川は異様でもある。ほんんどの田舎の河川が鉱毒で汚染された過去の死の河川と類似している。
田舎の人々の飲料水は、これらの河川から引用されている例が多い。大都市の飲用水の多くは高度処理され浄水されているが、田舎の飲料水は高度処理され利用されている実例は存在しない。
最近の人口動態調査では大都市よりも地方、中間都市の平均寿命が短命になっている。癌の罹患の傾向も同様である。
2001年の著書「がんと水の深い関係」を出すに当たり、日本中の大都市の浄水場を調査し、その後に、80才以上の人口が20%超える地域を調査したときに、自然林が多くその下流域の人たちであった。浄水場は自然林からの下流域に小さな簡易浄水場があり自然の湧水を利用されている地域に多く見られた。
先端的農業技術としてドローンが引き合いに出されていることが多く、実際に農薬散布にドローンの活躍が見られる。農薬散布の簡素化は、農家の家の直ぐそばにまで風にあおられ、農薬が飛び散っている。
京都市の代表的な憩いの場、鴨川や御所では、20年前には大量の除草剤が散布されていた。その結果は、散歩する犬の多くが膀胱癌と乳がんに冒されていた。現在は市民運動からこれらの地域には除草剤は使用されていない。最近では、乳がんや膀胱癌の犬は見られない。除草剤の影響が犬の健康に明確に現れいた。
国立がんセンターの2019年の発表では、39才までの若い人たちの癌罹患に関する発表があった。2016年の分析データでは、日本の癌罹患者総数は約年間100万人、そのうち約25万人が生殖機能(乳がん、子宮癌、卵巣癌、膀胱癌、前立腺ガン等)の癌罹患者である。約100万人の癌罹患者の内、39才未満の罹患者が約7万人そのうち、75%が女性で、多くは乳がん、子宮頸がんと発表されている。
農薬依存の農業が農業を持続するために必要であるのか、果たして日本人の健康が支えられるのかに大きな疑問がある。
ツバメが希少動物に分類される日がそう遠くない日にやってきそうである!!
 4年前、「自然耕房あおき」の圃場には、ビニールハウスの資材置き場にズラー一列にツバメの巣が並んでいた。早いツバメは、3月の中頃に飛来し、5月には子ツバメが大きな口を開け忙しく母親の帰りを待っていた。中には2回目の産卵もみられたが、3年目に入り飛来するツバメが半減し、番いが5つに、去年は3つの番いに、今年は3月の末に2から3羽の飛来は確認できたが、産卵するまでに、いなくなってしまった。5月には全くツバメが圃場の近郊で確認できず、その後の飛来はなくなった。
ツバメは飛びながら昆虫を補足する。飛んでいる虫以外に補足しない。
圃場の周辺に、飛ぶ虫が極端に減少しており、生息できないのか、そのとも、病死したのかは定かではない。この現象は京丹後市だけなのか、京都市の鴨川近郊、愛知県、兵庫県など仕事の先々で観察するとツバメが日本から極端に減少しており、ほとんど確認することができなくなった。
日本は、ツバメを大変大切にした事例が多い。
言葉にも、ツバメ返し、など、早く急速度に飛ぶ姿は美しい、次への世代では、特急つばめや燕尾服の名称も意味が解らなくなる可能性がある。
果たしてツバメだけの減少なのか、国立がんセンターの報告を見ると日本人基本的な健康を問われている課題であるようだ。農業形態そのものを根底から見直す必要がある。

蝮の徘徊が目立ち始めた!!
 圃場で、青大将がのんびりと這っていることは度度見かけたが、蝮は、この数年、全く見なかった。今年は異常な数字で蝮を見かけ、危険であるために殺傷せざる得なくなっている。蝮は青大将よりも温湿度に敏感で外気温度が30度近くにならないと現れることは少なく、猛暑も嫌う、猛暑の頃は草陰の涼しい場所や水辺を好む、自然耕房あおきは、圃場の草は、常に多く木陰に事欠かない、もう一つの特徴は蝮が生息するのに必要な蛙が多い、周辺の既存の農業圃場では蛙を見かけない。農薬で虫が生息できなくなり、昆虫が極端に少なくなると蛙は有機農場へ集まる傾向が強い、小動物の生息数が多くなると蝮や蛇が多くなる。
圃場の主力は女性の労働である。女性に蝮を退治せよとはいい辛い。
来年から事故に遭わない工夫が大きな課題として残されている。
オーガニック農業は、全ての自然生物との共生が基本的理念である。蝮を今後どのように対処していくべきか、これ以上に繁殖が増加すると事故に遭わない保証はない。事故後の血清による治療も時間との勝負で処置時間が遅れると死亡する。
圃場の見学者も多くなっている、ボランティアとして参加いただくことも多く見られるようになった。安全を担保する必要が欠かせない。
この現象は自然耕房あおきだけでの問題ではなく、全国各地のオーガニック農業を実践している方々の共通した課題に今後なる可能性が強い。
鳥獣の被害だけではなく、蝮対策として地域の緊急病院に血清の保管等の確認が必要である。
温暖化はオーガニック農業を持続するのは大変困難な地形的課題が山積している!!
農林水産省は、平成7年から2年間に30億円を掛けて、日本の水稲地域のカドミウム汚染に関する調査を行った。その結果については、農林水産省は公開しなかった。
農水省は、5年間の書類保存期間を経過すると廃棄し、存在そのものがないとして公表しない。公表しなかった理由は、あまりにも多くの地域で厚労省の安全基準に満たない水稲産地が多く、公開できなかったのが実情である。
このデータの解析と詳細は、段ボール箱に4杯になり、今も私の書類だな保存している。
他に、日本では、ヒ素、水銀、鉛、等やPCB、ダイオキシンなどの産廃の多くは山中に処理されていたり、水稲などでは表土の入れ替えなどで安全を担保したとしている。
カドミウム汚染は、旧鉱山の下流域、銅鉱山、鉄鉱石鉱山などの全ての下流で河川の流域に沿って、今でも多く存在している。一時期は汚染米を政府によって買い上げていた事例が多く存在していたが、その買い上げられていた汚染米がどのようにして処理されていたのかについての報告はない。焼却してもカドミウムは残り、飼料米にしても食物連鎖が生じる。
最近日本では、時間50mmの雨は、場所を選ばす、降雨する。何時どの場所が水害の被害を受けるのかは、全く予測が困難である。東北6県、上信越の米所の多くは、上流が旧鉱山の河川の流域であり、カドミウム汚染は多い地域に多く埋もれている。
水稲以外に栽培期間が4ヶ月以上続く例えば、大根、ゴボウ、里芋、馬鈴薯、人参、ネギ類や山菜類にも高濃度のカドミウム汚染の数値が検出されている。
野菜類は、カドミウムが単独で含有するのでなく、硝酸カドミウムとして含有している。
野菜栽培には、窒素は欠かせず、窒素と反応し、硝酸カドミウムとして結合する。過去に千葉大学大学院医学部環境医療学部との共同研究では、硝酸カドミウムは単体のカドミウムより癌への危険性が遙かに高いことが実験データによって示されたが、是か公表することが差し止められた。以後の研究費が下されなかった経緯がある。
このときの癌の症例は、膵臓癌、肝臓癌、胆嚢癌、腎臓癌などへの影響が大きく現れていた。膵臓癌は発見が遅れることが多く、罹患後の生存率は極めて厳しい癌の一つである。
この4年間温暖化の影響と見られる、集中豪雨は、九州から四国、山陽山陰地域、上信越、関東平野から東北へと各地の広がりつつある。
河川の増水と同時、流域の土砂は下流域に流れ出す。農薬だけではなく、重金属汚染は直接癌の原因要因に結びつくことが多くある。
オーガニック農場は2~3年では出来上がらない。数十年も掛けて持続されてきた圃場が平野部は河川の氾濫で、中山間地は上流からの汚染土壌の流出によって、一瞬にして、その価値を失うことが多い。
安全な圃場の選定は、今後のオーガニック農業の大きな課題である。

温暖化への作物の選定を見直そう!!
温暖化は5月から10月に掛けて昼中温度が30℃を超し、7月から8月に掛けて35℃を超える日が50日以上も続くことが普通になっている。40~50年も前であれば、夏休みに寒くて海水浴ができなかったこともあり、水稲では低温障害を心配されていた。最近では昼中が暑すぎて海岸での海水浴が少なくなっている。多くの人はクーラーに依存した生活ができるが、作物は高温のダメージを受けながら辛うじて、生息していることが多い。
その結果は、生育不良で収穫量の減少、品質の低下が生じている。又7月、8月に播種する秋冬作物のの生育不良や発芽不良を招いている。
温暖化は、高温による被害だけではなく、豪雨や極端な干ばつ、冬季の豪雪、春秋の彼岸時期の天候不良による農作業の計画に大きく影響が生じている。
地域特産など伝統的な作物の多くは過去の安定した天候から生じた伝統作物であるが、夏場の京野菜のなす、とうがらしや冬季のかぶら、大根等に生育不良が目立ち始めている。既存の農業方法では、生育不良は病気や虫の被害が多くなり、その結果は化学肥料や農薬の依存度が高くなっている。過去の地産地消の作物に依存する栽培には限界が生じているようだ。

安全な農産物の生産は生産者の努力だけでは持続が困難になっている。
自然耕房あおきは、故青木慎一さんの頃よりも、栽培面積は変わらないが、販売額は2倍以上になっている。しかし、企業としては赤字である。人件費が占める割合は60%以上、人件費は日々の携わって時間を最低賃金で計算し支払っている。役員もパートも同じである。それでも人件費が占める割合が多く黒字にはなっていない。
4年間継続できたことが不思議でもある。
今後の継続には、消費者の方々の理解と支援がなければ、困難と思われる。
何よりもオーガニック農業を消費者の方々が理解されなければ、日本での持続は困難な経済状態であることを認識されることであり、現場に出向かれ、1週間程度共に共労されなければ理解できないことが多い。

まず手始めに自然耕房の野菜をお買い上げください。
それが何よりも支援いただけるの第一歩です。


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