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オーガニック農産物の育成と普及

「有機農業の栽培技術とその基礎」を出稿して25年になる。
有機農業に関する法制度が制定される前年度である。
この法制度の施行は、有機農業の健全な育成が目的とされていたが、25年を経過しても有機農産物の普及は一向に進んでいない。
有機農業並びにオーガニック農業の栽培が進まない原因は、現在のJA組織の存在そのものが大きな原因であり、農林水産省の体質にも原因がある。
農林省が抱えるJA組織と全国森林組合、漁業組合は、日本有数の利権組織であり、その利権構造は地域の政治と密接な関連があり、改革が難しいとされていたが、どちらも組織を維持している生産者や組合員の高齢化でぼつぼつ存続が難しくなりつつある。
政治家にとっては、票田がガタガタと崩れ去る時代が目に見える時代になっていると判断し、次代を見据えなければ、10年後、次の次の選挙から厳しい環境を迎えることは必至である。
票田が生産者や組合員から消費者に移行すると国会議員の姿勢が変わり始めている。
有機農業推進連盟が存在し一定の活動が始まっている。
しかし、生産者が存在しなければ、有機農業の普及は困難であり、簡単ではない。
農業は工業生産等のように施設が出来れば、生産が可能になる構造ではない。
農業生産において、有機農業は一番難易度の高く、一定の技術の習得には最低5カ年は必要であり、圃場が既存の圃場から、有機農場への転換にも最低で5年は必要である。
この数十年、有機農業へチャレンジした若い生産者が次々と現場を離れた原因を精査し政策に生かす努力はほとんど見られない。
生産が安定するまでの期間、生産者への助成がなければ方向転換の期間は経済的に大きな負担が加算される。同時に有機農業への転換が可能になっても、経済的に持続することは大変厳しい。
有機農業は徹底したアナログ産業であり、デジタルとの融合にはその基礎データの収集には何十年も積み重ねる必要がある。
しかし、地球温暖化、それ以上に大きく生産者へのダメージを与えている。
夏場の高温と高温期間の長さ、季節の変わりの春分、秋分前後の温度は過去の播種機の温度と大きく異なり始めた。古来からの農業暦が生かされなくなっている。
これらの現象は、野菜果物の品質の低下、播種時期のずれ、集中豪雨型雨量による圃場表土の流出となって現れ、栽培の持続に大きな負担になっている。

地球温暖化は、農業生産に大きな課題を突きつけている。過去の最適な栽培環境であった地域が大きく品質を低下させている。従来の品種や品目が温暖化は栽培適正ではなくなり同じ栽培地で栽培が難しくなっている。
代表的な品目として、京野菜の賀茂なす、万願寺唐辛子、伏見唐辛子、九条ネギなどの品質劣化は激しい。鳥取県の20世紀梨、長野県のリンゴなどもその事例である。
地球規模で農業環境が大きく変化しており、海外に依存している農産物の安定が困難になる時期は目の前に迫っているがその対処が出来ていない。
日本の食糧事情が大ピンチを迎える時期はそう遠くなく、直ぐ目の前に来ているが、農林水産省はその対処は取られていない。

地球温暖化は日本の農作物にも大きな影響が出始めている。
地球温暖化の影響は、世界各地で危機的那問題として捉えられているが、日本では、他人事のような感覚でしか捉えられていない。
果たして他人事なのか!!
夏日の猛暑は、夏が過ぎれば忘れられ、春の櫻の開花が早くなった程度にしか感じられていないのが、一般的である。
35℃以上の夏日は5月の中頃から始まり、9月一杯この温度帯が継続している。
人々はクーラーの施設で体調管理が可能であるが、農産物の品質は少しずつ、影響を受け始め、この傾向が継続すると、夏野菜の品質は数年後には、劣化が激しくなる。
その傾向は、京野菜の賀茂なす、万願寺唐辛子、伏見唐辛子、等の果菜類や九条ネギは、既に品質の低下が見え始めている。
果実では、鳥取県20世紀梨、長野県のリンゴ、の品質低下が激しく、水稲では、新潟県のコシヒカリにもその傾向が、明確になっている。
生産量の絶対数量ではなく、品質の低下が激しくなっている。
京野菜は、その味覚によって、価値が認められてきた。単に伝統野菜としての位置づけではない。
京料理との整合性、味覚を整えやすいバランスによって、持続されてきた。
しかし、温暖化の持続は、味覚に大きな影響が生じている。
既存の栽培方法、栽培技術では、品質の回復は、ほとんど困難である。
日本の農業は、古くから、月暦に合わせた農業暦が存在していた。
しかし温暖化は既存の農業暦に該当せず、新たな感覚が必要になっている。
当時に栽培品目品種ともに気候との整合性にそぐわず、全てを見直す必要が見え始めている。

日本の自給率は大きく低下しており、日本各地に休耕地が目立つ、生産できないのではなく、生産者が栽培を放棄しているのである。
その原因は、農業の採算性、経済的に持続できる環境にないことが最大の原因であるが、栽培放棄地は簡単に栽培できる環境の圃場には転換できない。

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