CREATIVE COOKING COLUMN

まちがいだらけのカロリー計算

■糖尿病と食生活
糖尿病食が各家庭に宅配できるシステムが作られている、一見すると大変便利になっている。
どのような病も、病に罹患した原因を知り、原因要因を取り除くことが、疾患を改善する方法である。
糖尿病はウイルスや感染によって罹患したのではない。

多くの糖尿病は、自身の食生活に原因があり、他人のせいではない。
1型、糖尿病以外の罹患の多くが好き放題に食べ、好き放題に飲み過ぎた結果か、食生活に何らかの欠陥があり糖尿病という、やっかいな病に罹患したのである。
いまさら他人に同情を求めても、治らないし、改善しない。
自身で食事の摂取バランスを考え直す以外に方法がないが、この病に罹患すると自身だけの意識で食事の改善を実行するのが大変難しい。自己制御が難しい病である。
専門的なアドバイスと共に家族の支えが必要な病である。
ドクターの多くは、食事の指導の難かしさを知っておられ、食事の指導よりも、インスリンによる治療に依存しやすくなる。
インスリン治療に依存すると生涯インスリンを続ける以外に生命の維持が困難になる。
糖尿病が悪化すると白内障から失明、脳血管疾患、心疾患、細胞の壊死など悲惨な疾患によって、最後の生涯を迎える。血中インスリン濃度の高さは、大腸癌のリスクを高めるという報告もある。

慢性透析患者の約半数が糖尿病の悪化が原因で1級の身体障害の扱いになっている。
慢性透析の疾患は治療費に膨大な費用が必要であり、国民医療費の負担が増加する要因の一つでもある。一説には年間500万円から700万円とも云われている。
暴飲暴食に明け暮れ使った金額と同等かそれ以上の治療費が生涯に必要になる。

■食事指導の難しさ
正しい食事の摂取方法を、教えるのは、家庭のなかでも教育の現場でも大変少ない。成人になって正しい食事を教える場所は限られている。
多くの場合は病に気付いてから、お医者さんの忠告によって始めて、食事の重要性を実感することになる。
全国には保健所や医者の数と管理栄養士の数は多いが、実務的な食事の指導ができていない。
食事の指導は、指導者が食材の栽培や飼育されている現場を知らなければ意味が無い。
食材の正しい選択を欠いて栄養計画は成り立たない。食材の選択は価格ではなく、品質であり、品質の選択は栽培や飼育されている状態、栽培や飼育環境を見て始めてその良し悪しが区別できる。品質による基礎栄養成分の較差は大きい。
教科書のデータや食材の食品成分表、4訂、5訂をそのまま、鵜呑みにして栄養計算し、栄養指導として説明しても、食材の品質評価を欠いて摂取しても、疾患の改善に結びつかない。

■カロリー計算の間違い
4訂、5訂は一定の目安であるが、カロリーを重要視して栄養計画を行うとミネラル、ビタミン、微量栄養素の多くは欠乏する。カロリーを重視して脂肪、炭水化物の少ない食材を選択するとアミノ酸類や総タンパク質が少なくなりやすく、全体の栄養計画に問題がある。高カロリーの食品は脂肪の多い食材であり、タンパク質が多く含む家畜の肉類、養殖魚は5訂のデータよりも脂肪が多い、掲載されているデータから計画すると市販されている食材の多くが脂肪過多に陥り安い。
多くの食材は一年中販売されているが、栄養成分は一定ではなく、1/2~2倍ぐらいの変化は普通に存在している。
どの時期に、どの品種、どの地域で飼育や養殖、栽培がされたのか、明示されておらず素材を計測された品質の傾向が判断できない。
食材の選択する方法は、購買する用途の立場で変わり、経営の方針で変わる。消費者が食材を購入するときの多くは価格が選択の基準になりやすい。
売価が決まっている外食や加工食品では、重量あたりの価格を重要視し品質はその次になる。栄養成分の含有量は見ていない。成分劣化した食材の味覚は調味料や食品添加物で整える。

高級な料亭の調理人が良いとする食材は、魚の場合はあぶらののった食材を指しており、脂肪分は多い。肉類もあぶらののりかたから品質を選ぶ、給食の素材は経済性から単価から選択する。養殖の魚、単価の安い時期の魚、海外からの魚を選ぶ、同じ肉、同じ魚の魚種でも旬の時期、地域で栄養成分の含有量は大きく違い、総カロリーにも数倍の違いがある。
市販されている予防食の多くがカロリー計算を重要視され調理されており身体に必要な栄養素や微量栄養素などの全体を考慮すると問題が多い。
食事からの予防医療は従事者にとって利益にならないためにこれまで放置されており、実務的な指導ができる人材は究めて少ない。

メディアは毎日グルメの番組と健康素材の番組を入れ替え報道しているが、グルメ番組は、脂肪過剰や過剰なカロリーオーバーの調理品が美味の見本として、食べ比べを競い合う報道が氾濫し、正しい健康への食生活の情報が少なく、他方では簡単料理、簡便料理が途切れることがなく放映が続いている。これ程多くの人々がメタボリックシンドロームに悩まされている現実に対して国民に健康的な食生活のあり方を示す意識は見られない。
一日3食正しく摂取することは忙しい現代人には無理が多い。健康を維持するには、最低一日一食の正しい食事が必要である。

■食事指導のまちがいが損なう日本人の健康
正しい食事は、1日3食で、バランスを取るのではなく、1食のなかにバランスよく、必要な栄養成分が含まれることが大切である。朝の食事で足らない成分を夜の食事で補うことはできない。
生活習慣病に罹患していると、最低30食は継続し、正しい食事を続けなければ、食事からの改善は難しい。
糖尿病の食事はカロリー制限されており、販売されている食事はご丁寧に計算数値が掲載されている。
一見すると大変丁寧である。
病院に入院しても同様にカロリー計算された食事が提供される。厚生労働省からのご丁寧な食事指導に基づいて行われている。このカロリー計算は4訂、5訂を基礎にして計算されている。
管理栄養士の方々やドクターから提供される栄養指導も同じである。
2008年4月から始まる、メタボリックシンドロームの指導も同じ要領で指導される。
「健康日本21計画」が失敗した原因が精査されていない。
食品のエネルギー計算は、可食部100gに対して、タンパク質、脂質及び炭水化物の量に各成分のエネルギー換算係数を乗じて計算されている。
タンパク質は窒素換算、炭水化物には、糖質、澱粉、繊維質等が含まれた数値である。
この食品の分析データは指標であり、多くの食品が生産されている現場から見るとこの指標に依存した栄養計画にこそ問題があり、日本人の多くが健康を損なう原因がある。
この指摘は後の章で詳しく、説明したい。

■病は食事から
人が病むのには原因がある。
病を直すことは、単に疾患の検査データの改善だけではなく、原因は別に存在することもある。疾患以外に豊かな感性も病んでいることがあり、感性を取り戻す意識が欠かせない。
食生活の安定は豊かな感性を作りだし、安心できる食生活は、精神的な落ち着きを一食一食の食事から作り出す。
一食の食事から得られる安心や安定は、納得できる食事によって作られる。
不味くても我慢をさせる食事をいくら説得しても精神的な安定にはならない。
むしろ不味い食事からストレスが貯まる。
まずい食事を何ら気にせずに調理されている病院に入院すると、食事の時間を楽しみに待つのではなく、食事を運ぶカートの音が聞こえると苦痛になる。
説得された食事では、納得できずに矛盾が残る。心の病が一層深まる。
餌のように提供された食事をどのように説明し、病の為にと説得しても納得していない、豊かな感性を呼び戻す要素には結びつかない。

人間は豊かな感性があり、豊かな感性を育てることが食生活の根本である。
その場の飢えを取り除くだけでは、食事から豊かな感性は育たない。どのような疾患も症例だけを見て治療して全体の治療にはならない。
食事で疾患を改善するには豊かな感性を呼び戻すことと同じである。

糖尿病食のメニューはカロリーが改善の基礎としているが、カロリーだけ計算された食事で病の改善にはならない。
食事には、一見すると無駄のように見える素材があり、カロリー計算だけでは割り切れない栄養素が多い。食事には、遊び心、楽しみがなくては続かない。
一食の食事から、人々は感性や洞察力次への創造性を養っていく、モチベーションを欠いた食事は意味をなさない。教育と同じである。

代謝はどうか、基礎的ミネラルは摂取出来ているのか、ビタミン類は、アミノ酸類はどうか、微量成分はどうか、全体のバランスはどうか、現在指導されている栄養指導には大変疑問が多い。
何よりも最近販売されている糖尿病食や病院食の多くは、美味しい、食べてみたいと感じる意識が涌いてこない。
惨めな食事でも、これが最適なカロリー計算された食事だ、諦めろ!!
あなたは我慢ができますか!

参考図書
2007年5訂増補「新食品成分表」

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