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輸入汚染米と国産カドミウム汚染米

2008年輸入汚染米の食品への横流しが大きな社会問題になり、2009年2月三笠フーズ(株)の代表取締役冬木三男は逮捕されたことは記憶に新しいことかと思います。

食の安全基準は国家が決めており、市民の食の安心は、国の安全基準が制定されていることから得られているのです。安全基準は法律によって一定の基準や基準値が制定され、安全基準を遵守する指導は行政によっておこなわれています。
安全に対する基準や基準値は科学的な根拠に基づいて決定されています。

米は、玄米と精白米に分けて、残留農薬基準や重金属含有基準が決められています。
輸入の汚染米は、カビの発生による食中毒の危険性及び残留農薬の基準に合格しなかったのです。
約2,000トンを糊の材料として農林水産省から入札により仕入れ、食品材料として横流しをしたことにより、三笠フーズは逮捕されました。
食品材料として、焼酎の発酵原料、お菓子、コンビニエンスのおにぎり、給食のおこわなどに変わり全国に流通されてました。
仮にこの数量がコンビニエンスのおにぎりに加工されていたら、その食数は、2千万食にものぼります。

汚染米は、昔から存在し、過去には合板の糊、染色の糊として利用されており、明治時代は日本からイギリスに染色用の糊材料として米が輸出され当時は貴重な外貨の獲得品目の時期もありました。
しかし、合板や染色に利用される米糊を利用する時代はバブル経済が崩壊した頃から既に終わっており、同時に合板も染色も日本の製造及び加工量は激変し縮小しています。米糊の用途マーケットが激減しており年間数十トンです。
用途の存在しない、不良在庫となった汚染米が積み上がっているのが現状なのです。
別の見方をすると、農林水産省は不良品を税金で仕入れ、その在庫米は倉庫代を継続し支払い、最後の処分に苦慮し、処分した先が食品としての横流しだったのです。

 

■この事件を読者の方々は少し深く考えてほしい!

大きく取り上げられ、影響は焼酎メーカーから菓子、米粉加工、コンビニエンスのベンダー、米穀卸し業など大きく広がり、同時にこの業界は複雑な流通過程を得て消費者に渡っているそのために三笠フーズの得た利益は意外に少ないのです。
経営的に厳しい、ビジネス環境であることがわかります。
水稲農家も同じように利益が上がる農業生産ではなく、むしろ慢性的な赤字を継続し続けている産業なのです。
生産者価格はここ何年か下落しており、過去には一俵(60kg)3万円を超えることもありましたが、最近では2万円前後が高値になっています。
他方、コンビニエンスのおにぎりの価格は一ヶ100円の相場はこの25年近く変わらず、むしろ米価の安くなった今の方がおにぎりの価格は高くなっています。
最近は低価格で入手できる米が欠乏しており、入手できていないことに原因があります。
農林水産省から低価格の米の入札が止まっていることに原因があると見られ、これまでは汚染米も実際には消費されていた事を物語っている。

 

■汚染米は輸入の米だけではなく、国産にも多く存在している

重金属汚染米である、国産カドミウム汚染米です。
国産のカドミウム汚染は、栽培上生じる土壌汚染が原因です。重金属汚染は他に水銀、ヒ素などがあります。
カドミウム汚染の影響は「イタイ・イタイ病」等で公害認定の対象になった疾患です。
 カドミウムの汚染米の農林水産省の基準(0.4ppm)と厚生労働省(1ppm)の基準には違いがあり、コーディクス(0.2ppm)の基準とも違いがあります。WHOの水 の基準(0.036ppm)から割り出した一日の摂取量からも数値が異なります。
このことから科学的な検証が曖昧であることを示しています。
 
2003年「人間と環境」日本環境学会において食品中のカドミウム基準値検討委員会の報告においても、現在の安全基準に問題があると指摘しています。
日本は、各地に大小の鉱脈が存在しており、昭和40年代までは、多くの採掘が行われていました。カドミウムは鉄鋼、銅、マンガン、ニッケル、アルミニウム及び石灰石等の鉱脈に含有していることが多く、希硫酸に溶解し溶け出すことが多く、温泉で酸性の温泉では希硫酸を含有している場合が多いのです。
多くの鉱脈が存在する地域には共通して温泉地の開発が進んでいます。鉱業が廃れた後に再開発事業として推進されてきたのです。

東北から上信越、北海道、北関東そして九州に多くの鉱脈と温泉地が点在している。
これらの地域の平野部は同時に水稲地域でもある。
都市近郊の工業団地では、ニッカド電池の生産量では世界一になり、カドミウムの利用は世界一を誇ったことがある。
日本列島は山間地も平野部もカドミウム汚染が多いと見て間違いではない。そのためにカドミウム汚染に対して、手を付けられないと投げ出された経緯がある。

米国を始めミニマムアクセスの交渉では日本は汚染米が多く、米国の安全な米の輸入を買い入れるべきとする指摘まであり、平成9年~10年にかけて、大規模なカドミウム汚染米の調査が実施されました。
水稲地域50haに一検体とし、全国37,250 カ所から米を回収し検査を行いました。
このときに米に含まれていたカドミウム含有量は最大が1.2ppm、0.1ppm以上を含有していた米の比率は16.9%となっていました。(農林水産省調査報告書において明示している)
実に日本の玄米の16.9%がカドミウム汚染されていたことが判明したのです。
そのために、コーディクス委員会に対して、カドミウム基準を精白米0.4ppm基準を日本政府から変更の手続きが申請されました。
従来の玄米の基準から精白基準にすることによって、カドミウム汚染の比率を軽減することが目的であり、同時に消費の多くは精白米で摂取されているからです。

しかし、最近のメタボ対策や健康志向による玄米食の摂取は大変多くなっている。同時に米穀の流通形態は複雑になっており、玄米の個別流通は年々増加傾向にあります。
また、精白に対する基準も明確ではありません。
米のトレーサービリティは県別であり、産地表示では判断できません。
消費者がカドミウム汚染を判断できる基準が存在していないのです。
玄米と精白米の基準があるが現実には玄米で流通し精米器によって処理される場合が多く、精白と玄米の2種類の基準の設定は、実態として矛盾しており、危険性が高いのです。
また、玄米から精白にしたとき、カドミウム含有の高い糠の処理においても、環境問題からは一定の安全基準を設ける必要があります。


■カドミウム汚染とガンの関係

では、カドミウム汚染地域の人々にどのような疾患が多いのかを調べてみました。
日本ではカドミウムとガンの関係を医学的に調査されたデータはほとんど見られません。
米国ではノースカロライナ州ウェイフォーレスト大学Dr・Gary及びShwartz、マイアミ大学Dr Isildinha M Reisによって Cancer Epidemiology及びBiomarker and Preventionk
の雑誌に1991年10月号に膵臓ガンとの疫学的調査が掲載されており、ルイジアナ州の炭鉱労働者特にカドミウムと膵臓ガンのデータが掲載されています。
過去行われたカドミウム汚染米の生産地のデータ32、750件を地域別に分類し汚染米の多い地域の薗地域のガン死因性膵臓ガンとの関係は一定の相関性が見られます。
日本ではカドミウム汚染米の多い地域と膵臓ガンにらよる死因性とは一定の相関性があります。同時に大腸ガンとも相関性が見られます。

 

■低迷した経済の転換策

カドミウム汚染の拡大した原因は国家の無策であり、生産者に原因があるのではありません。
むしろ生産者は被害者なのです。同時に知らされていない消費者も被害者です。

過去に鉱業開発は国策によって行われ、その後戦後は民間企業が事業の引き継ぎを行いましたが、時代的に公害問題として捉えるだけの科学的な根拠が明確ではなく、閉山と共に放置されてきたのです。そのために被害が拡大しており、国策として無害化処理が必要であったが、行われてこなかったのです。

現在、国難として捉えなければならないほど、経済は低迷しています。
全国の汚染土壌の面積は45万haにもなり、この農地をを改善し、健全な農地の育成は欠かせない課題であり、自給率の改善にも結びつき、100万人の新たな雇用に結びつく、国土の浄化作戦として取り組むことは国民からも反論される課題ではなく、今こそ実行に邁進すべき課題なのです。
総予算は約10兆円になり改善後の農地は有機圃場として育成すると現在のように約0.5%の有機農産物の生産量が世界一の有機農業国へと転換できます。
食の安全や安心が得られる最適な方法なのです。

 

 

 

 



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