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玄米食から考える -人類の進化と退化-


2008年10月26~27日にかけて和歌山市で、「米と疾病予防」の国際シンポジウムが
10年ぶりに開催されました。
学会では、米の成分から生活習慣病となってきている多くの疾病予防の効果データが
示され、反対に生活習慣病の原因についても米の摂取による因果関係も示されました。
東アジアのモンスーン地域に米食の民族が多く、共通してⅡ型糖尿病の罹患者が
多発していることが判明したのです。
これまであまり調査されていない低開発地域においても同様に罹患率が増加しており、
その原因が精白米の摂取量に由来していることが示されました。


学会の演題の多くが、米の胚と糠に含まれている成分、GABA(γーアミノ酪酸)、フェラル酸、
γーオリザノール、チアミン等が血糖値を下げ、中性脂肪を減少させ、拡張期血圧を下げさせ、
心不全の予防効果、認知症の予防効果、神経系統の安定に効果的とした報告が
されていました。
現代の社会的問題、糖尿病、メタボ、そして認知症の予防効果があることが示されました。

報告によると、これらの有効成分が多く含んでいるのは、全て古代米に近い品種、
胚芽が大きく、糠の層が厚く、多くの色素を含んだ品種です。
人類が雑穀類を食べ初めて既に1万年は経過しています。
米を食べ初めた年代は諸説があり、正確ではありません。
古代米とされている米の品種はアミノロース含有量が高く、胚芽が大きく、有色米であり、
黒、紫、茶などの強い色素を持っています。人類は旨い米を大量に栽培するため
にこつこつと何千年もかけて、品種選別を行い、現在の旨いとされている米は、
低アミノロースで胚芽が小さく、糠の層が薄い白い米を作り出したのです。
系統選別を行い、少しでも収量が多く、栽培が簡単で、そして美味しい米の品種の育成が
人類の英知の進歩として捉えていました。美味しいことは米の摂取量が安定し、
東アジアの人々の空腹を満たしてきたのです。

その結果、米は生産量と味覚では進歩しましたが品種的な進化ではなく、劣化が進み
品質的には農薬漬けでなければ栽培が困難な退化の傾向にあります。
退化した米を摂取し続けた人類は、多くの疾病を抱え社会問題として現れているのです。
糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症は血管の老化が原因であり、基礎免疫力が低下し
発症する、生命学的には退化の現象で示しています。
これらの疾患の多発は日本だけでの問題ではなく、人類全体の問題として世界各地で
発症が見られ、品質的に退化した米や雑穀類を摂取し続けた結果、人類の退化を示す
疾病となっているのです。


メタボは人類だけではなく、家畜の飼育も全てメタボ飼育が採算性の高い飼育方法として
継続されています。
家畜の餌は品種改良され、収量とメタボ飼育に最適な品種改良によって栽培されており、
米や雑穀類、メタボ飼育された家畜も全て、食物連鎖し人類の口に入っています。

学会では、人類が退化を早める要因については誰も触れてはいませんでしたが、
品種よりも価格と生産量にこだわった従来の農業生産に対する皮肉な結果を見直すべき
現象として受け止める必要があるのです。

米国の食物生産は大規模化し世界を席巻している、大規模生産は低コストを売り物に
家畜の餌、人類の食物の市場を価格で支配し、品種を顧みず低コストに商品に
甘んじてきたのです。
その結果、人類の退化を早めているのです。


2008年は世界の経済が一機に不安定のどん底に陥っています。
不安定要素を発信させたのは、米国のデリバディブ経済の過信であり、穀物も全て
デリバディブの対象商品です。
デリバディブ商品の中身に問題があったように、現在の穀物の中身が問われていないのが
現状です。
生産量だけで世界を席巻した結果は人類の退化への道を早め、同時に経済の混乱を
きたす結果になっているのです。
この現象は決して偶然ではなく、人類への大きな警告として受け止める必要が
あるのではないでしょうか。

 


河野 武平



米ぬか新聞記事.jpg
 2008年10月27日 朝日新聞 朝刊



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