日本の認知症の増加は、団塊の世代の人口が多い地域ほど今後増加する傾向が示されました。現在の人口構成から予測される認知症の増加は、65歳以上の8人に1人が認知症に罹患し、総罹患数は445万人とされています。罹患数の多い地域は、大都市とその周辺に集中します。街角は。高齢者が散歩で歩いているのか、徘徊しているのか、その判断すらできない状態に大都市の雰囲気が変わります。果たして、このような状態を予測しながら、何ら予防処置に目を向けないでいられるのでしょうか?
認知症と食生活との正確な因果関係はこれまで示されていません。しかし、メタボから進行する比率の高さが示されています。メタボの罹患者は、健常な人の約6倍の比率とされています。メタボ改善には、一日一食の玄米食は一定の効果が見られます。玄米に含まれているGABAの効果とされています。同時に、玄米に含まれるGABA(γーアミノ酪酸)の含有量は玄米の品質と品種によって大きく変わり、含有量の多い品種は胚芽が大きく、糠の層が厚い形態的には古代米に多く含まれています。品種的には、早稲種よりも中晩生種に多く含有し、糠の層をを厚く栽培するには、牛糞の堆肥を元肥として利用することによって粒子が大きく、ふっくらとした形態に栽培できます。フェラル酸は糠のポリフェノールに含まれており、糠の層の厚さによって含有量が増加します。糠の層は早稲種よりも晩生種に多く含み、また粒形で判断できます。
《左から 玄米(胚芽の多い種類 ) 玄米(通常のもの) 発芽玄米》GABAとフェラル酸の含有量は同一品種でも栽培形態によって増加します。玄米における含有量では栽培によって約5倍に増加することもあり、GABAは品種を選別すると、発芽玄米よりも含有量は多いのです。また、調理の方法によっても含有量は約3倍から5に増加します。
日本人はこれまで、早稲種の米をアミロースが少なく美味しいと好んできました。多くの産地は北陸から上信越そして東北、北海道です。現在、西日本の中山間地は、米の栽培では耕作面積も少なく、採算に合わないとされてきましたが、中晩生種の栽培適地であり、大量生産による競争ではなく、適地適作の高品質米として育成することができるのです。
日本は高齢化国家になることは既に20数年も前から統計的に解っていました。しかし、高齢化対策は全く取られていません。後期高齢者医療制度、年金制度共に、高齢化社会対策とは逆行しています。中山間地の農業の再構築は一つの高齢化対策なのではと考えています。
河野 武平 2008年11月2日 朝日新聞
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